3年生の総合的な学習で行っている北方領土学習の一環として、「北方領土出前講座」が行われました。
昔から漁業等の関係で北海道根室市や北方領土とは深い関わりのある黒部市の中学校3年生は、毎年、総合的な学習の時間に北方領土に関する学習をしています。
今日は、出前講座として<第1部>では根室高等学校3年生の生徒が、<第2部>では元島民の方々が来校されて、それぞれ北方領土に関する講演をしてくださいました。
<第1部> 根室高等学校3年生の生徒2名が、北方領土の歴史や返還運動について、クイズを交えながら分かりやすく話をしてくださいました。元島民の方々の高齢化が進む近年ですが、北方領土に関する歴史や返還運動が風化してしまわないよう、若い方々に脈々と受け継がれていることを感じました。
<第2部> 元島民の方々が、当時の島での暮らしや島を離れるときの状況、そして返還運動に対する思いなどを貴重な写真資料を使って語ってくださいました。当たり前としてあった島での日常が、突然奪われてしまうことの理不尽さや悲しさが感じられました。質疑応答では、生徒たちが資料等で調べたことについて、実際の体験をもとに教えていただきました。
自分の身近なことだけではなく、社会で起きている様々な事象の意味や意義について関心をもちはじめるのが中学生のこの時期です。北方領土学習をとおして日本に関わる他の領土問題や国際的な領土問題、それらにまつわる国際情勢等についても関心をもってもらいたいものです。昔のこと、どこか遠くの国で起きていることで自分たちには関わりがないと捉えるのではなく、「なぜ?」「どうして?」を入口として調べたり考えたりしてみることが、悲しい歴史を繰り返さないために必要なことではないでしょうか。